先に断っておきますが、今から書くのは、「JR西日本の現在の新快速」についてです。 JR東海については扱っておりませんので、あしからず(別ページに書く可能性はあるけど) <概要> JR西日本における新快速は、現在西は播州赤穂、上郡、東は敦賀までの最長行程275.5kmを走り抜ける、 全国的にみても運賃だけ(特急料金などの、別料金がかからない)の列車としては出色の俊足、長距離ランナーである。 <使用車両> 元々、関空快速(のちに紀州路快速と併結運転を行うようになった)用として開発、製造された223系0番台をベースに、最高運転速度向上や、それに伴うブレーキ強化(法規上、鉄道列車は非常ブレーキをかけてから600m以内で止まれるようにしなければならない)、内装変更などの仕様変更を加えられたのが、現在の223系1000番台である。 ただ、1000番台は走行時の騒音が酷く、また製造コストも高くついたため、室内設備の簡素化、台車改良による騒音低減などの仕様変更を施したマイナーチェンジ版として登場したのが、現在の2000番台である。 1000番台と2000番台の外見上の違いは、まず屋根を見ると、かなり小さめのクーラーを搭載している車両が編成中に含まれている(正確には、モーターを積んでいない付随車)のが、1000番台。そうではなく、全部同じ大きさのクーラーを載せているのが2000番台である。あと側面では、ビードと呼ばれる直線状の突起物があり、戸袋(ドアが引っ込む場所)に窓があるのが1000番台、ないものが2000番台である。 内装面では、補助椅子の背もたれが2000番台では省略され、色がゴールド調だった窓ガラス等の金具押さえが、通常のシルバー調のものに変更されており、若干設備面では落ちた面もある。一方で、車内トイレについては、いわゆるバリアフリー法に順守するかたちをとっているため、2000番台では車いすの方も入れるような大形のトイレを整備しており(そのため、トイレ前には座席は未設置である)、車内設備についての評価はまちまちである。総合的には騒音の比較的小さい2000番台の方が好評のようである。 なお前述のとおり、新快速用として製造された223系の系列は、高速走行性能が求められるため、かなり高出力(特急列車並み)のモーターを積んでおり、基本的に1両の電動車は、自車と付随車2両の合計3両まで動かすことが可能である(これを電動車をM(モーター)、付随車をT(トレーラー)と表し、1M2T構成と呼ぶことがある)。 しかし、4両編成では電動車(以下「M車」と表記)が2両、8両編成では3両あり、出力にかなり余裕があるため、コスト削減のためにM車1両に積むモーターの数を標準の4個から3個に減らした、3000番台と呼ばれるものも存在する。しかし3000番台はその性格上、外見は2000番台と全く同じで区別がつかないうえ、もっと言えば3000番台の車両が存在するのはM車だけであり、付随車(以下「T車」と表記)は今まで通りの2000番台の車両を組み込んで編成を構成しているので、ファンの間でも2000番台と3000番台をわざわざ区別するような人間は少数である。さらに言えば、現在も223系は221系や、嵯峨野線の113系の置き換え目的で増備されているが、今では3000番台は作っておらず、専ら2000番台に集中して造っているという、なんとも人気がない(?)車両となってしまっている・・・。おそらく、モーターを1個減らしたぐらいでは、費用対効果の面で芳しい結果が得られなかった為だろう(・・・と、管理人は思っている(何))。 <車両性能> ケチな(失礼)JR西日本にしては、比較的気合いの入っている車両なだけに、性能面も良好である。前項も参照しもらいたいが、最高運転速度が130km/hなのはもちろん、加速力もJRの速達用列車としてはかなりよく、減速力に至ってはもはや反則並みの強力さである(笑)。おそらく、デザインよし、内装などの車内設備(しいては車内環境の良さ)よし、足回りの性能よしと、三拍子揃った車両はコイツくらいである(←主観入りすぎ!?(笑))。 惜しむべくは、雪に弱い、ということだろうか。東は京都、山科、大津、草津、彦根、米原、北側には今回運転区間が延伸された敦賀など、新快速の守備範囲には、結構雪の多い地域があるのである。それにより、冬期は雪のためにダイヤが乱れることもしばしばみられる。そりゃあそうだ。足回りを見てみれば、思いっきり雪を知らなさそうな、シティ派な装備である(笑)。一応、耐雪ブレーキの装備はされているようだが・・・。次に仕様変更をするのであれば、是非521、681、683系など、豪雪地帯を走る車両の床下設備を追加してもらいたいものである。 <運用> 基本的に昼では、西は姫路止まりで、1時間に1本(新快速は、昼は1時間に4本、つまり15分間隔である)播州赤穂まで直通する。 東は1本は野洲、1本は長浜、1本は米原経由で近江塩津、最後の1本は湖西線経由で敦賀まで、というのが基本である。 なお、昼間の敦賀行きはほぼ全て湖西線経由であるが、これは大阪圏からだと、湖西線経由の方が所要時間の短縮が図れるからである(約10分弱の差が出てくる)。むろん、朝夕のラッシュ時は、「敦賀発、米原経由、姫路行き」というのが多く見られる。これは上郡の扱いも同様で、朝は始発駅として、夜は終着駅として日に数本ある。・・・が、あくまでその領域に留まっており、データイムでの上郡直通は、乗降者数などを鑑みて、今現在は設定されていない。 ここで敦賀への日帰り旅行を検討している関西圏の人へ注意。近江塩津行き、もしくは敦賀行きの新快速は、湖西線経由では近江今津駅、米原経由では米原駅で前の4両と、後ろの4、もしくは8両(最大12両で運転)を切り離し、前の4両のみが敦賀まで行く、という点である。敦賀駅の新快速発着ホームも、4両編成を前提に工事が行われた(具体的には線路配置や、ホームの高さの嵩上げなど)くらいである。しかし、このために米原ー長浜間の列車の半分は、8両から4両になり、輸送力が減らされたことになるので、この区間では朝夕の混雑は非常に激しい・・・(←体験者)。今現在敦賀ー近江塩津間でも乗客数はかなり多い。したがって、もしかしたら将来的に4両だけでなく、8両そのままで来る可能性はあるであろう、・・・と勝手な個人的見解ではあるが(苦笑)。出来れば行ってほしいものである。ちなみに播州赤穂へ(赤穂線内)は、ほぼ全て8両で運行されている。 まあそれでなくても、新快速はその速達性と車内環境の良さを兼ね備えているので、常に混んでいるが・・・(苦笑)。席に座れれば御の字であることは、頭に入れておいてほしい。 <主な停車駅> 西から順に、播州赤穂、播州赤穂ー姫路間は各駅に停車、姫路からは、加古川、西明石、明石、神戸、三ノ宮、芦屋、尼崎、大阪、新大阪、高槻、京都、山科。山科からは湖西線と琵琶湖線と分かれ、湖西線は、西大津、比叡山坂本、堅田、近江舞子、近江舞子から敦賀までは各駅に停車する。琵琶湖線は、大津、石山、草津、守山、野洲、近江八幡、能登川、彦根、米原、米原から先は各駅に停車する。 <その他・個人的まとめ> このように、新快速はJR西日本の目玉列車であり、その俊足、長距離大量輸送を生かし、通勤・通学の足として強烈な存在感を放っている。実際、新快速が運転されることで、各都市への時間的距離感が縮められた、ということであろうか、通勤等で各地の人の流動が大きくなっているようだ。特に長浜市では、新快速乗り入れた結果、人口が増加傾向に転じたという。畏るべし、新快速・・・。まあだから、敦賀市も新快速誘致(笑)に熱心だったわけですがね。 まあこの新快速、所要時間にしろ、走行距離にしろ、これくらいになると本来特急を走らせてもおかしくないレベルなのである。それを別料金なしの「イチ快速」としてサービスを提供してくれるのだから、ある意味ではJR西日本って、太っ腹なのかも(笑)。青春18切符での旅行者にとっては、移動時間短縮の押さえの切り札になってくれるわけで(笑)。朝8時くらいにに姫路から乗っても、昼には敦賀に着けるって、これホント、相当やで? |